中国のリサイクルポリエステルメーカーは、海外の需要拡大を背景に生産能力を大幅に拡大しています。さらに、地政学的リスクなどを回避するため、海外での生産も計画されています。
浙江佳人新材料(ジャーレン)は、帝人のケミカルリサイクル技術を導入したケミカルリサイクルポリエステル最大手です。2015年に本格稼働した第1工場(敷地面積6万7千平方メートル)で、ポリエステル繊維の端材や使用済みポリエステル製品を使い、年間3万トンの原糸を生産しています。2018年に黒字転換し、2019年にはカチオン染色が可能なリサイクルポリエステルチップや難燃性の同チップなどの開発に成功。2020年からは新型コロナウイルス禍の影響を受けながらも、成長を維持しています。欧米市場のさらなる拡大が見込まれる中、2022年に年産15万トン規模の第2工場を起工しました。最終顧客は現在、欧米メガスポーツブランドを中心とした海外顧客が大部分を占め、国内ブランドは少ない。
今年半ばに第2工場の第1期(5万トン)を稼働する予定です。「今後は海外ブランドのニーズがますます増える。繊維だけでなく、さまざまな分野がサステナビリティを追求するようになり、需要が拡大する」と姜龍春・総経理補佐は分析し、品質向上とコスト低減に取り組みながら、生産能力拡大を目指します。
マテリアルリサイクルの新興メーカー、江蘇賽繊爾新材料科技(セビル)は2021に開業した第1期工場で回収した使用済みペットボトルの洗浄から、それらを原料とした再生PET樹脂の生産までを行います。
同社が生産する再生PET樹脂は、食品グレードの再生ポリエチレンテレフタレート(PET)と、高性能再生ポリオレフィン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン(PP)の三つで、それぞれの年産能力は5万トン、1万トン、1万トン。用途は各種容器、繊維、建材、膜などです。
同社は昨年11月、第2期工場の一部を稼働しました。食品グレードPET(年産能力5万トン)と、HDPE、PP(各4万トン)に加え、今年にはケミカルリサイクルによる食品グレードと繊維用途のPET(計1万トン)を生産する計画です。
両社の繊維用途の製品は、ともに輸出をメインとしています。ジャーレンの原糸の最終顧客は、欧米メガスポーツブランドを中心とした海外顧客が大部分を占めます。セビルの繊維用途の樹脂は、中国のポリエステルメーカー最大手、恒力石化(ヘンリー)などに採用されていますが、こうしたメーカーが生産するリサイクル糸は「ほとんどが海外ブランドに使われている」と黄斌董事長は話します。
欧州連合(EU)は、2025年から各加盟国で販売されるペットボトルについて、再生プラスチックを25%以上含む目標を掲げている。この割合を30年に30%、40年に50%以上に高めていく方針で、需要拡大に供給が追い付かない状況が続くもようです。中国のリサイクルポリエステルメーカーにとって追い風になりそうですが、現状は各国が中国製のリサイクルポリエステルチップにアンチダンピング措置を採っていることが足かせになっています。
そのためセビルは、タイに工場を設けることを決めました。「タイであれば、アンチダンピングや地政学リスクを回避できる」(黄董事長)ためです。PETを年間5万トン生産する計画で、2026年の稼働を目指しています。ジャーレンも海外の進出を検討しているようです。
4月8~10日マイドームおおさかでAFF・大阪2025春が開かれます。日本最大級の繊維・ファッションOEM/ODM展示会であるAFFは、多くの方々からご支援いただき、今回で第43回目の開催を迎えます。
今回の展示会には、中国や東南アジアから、合計360企業が420ブースを出展予定です。素材からファッション衣料、服飾品などの製品、さらにホームファッションなど多岐にわたる商品を展示します。
さらに昨年の東京展で好評を博した「AFFセレクション」エリアを大阪展で初めて設けます。日本市場で多くの実績と信頼を獲得している有力企業を厳選しました。これにより、高品質な製品を一堂にご覧いただけるようになります。
OEM企業だけではなく、デザイン提案力を有し、ODMにも対応した企業や高機能、サステナビリティ、小ロット、低価格、短納期などお客様のニーズに対応可能な企業が参加する予定です。
ご来場の皆様には感謝の気持ちを込め、オリジナルギフトをご用意しています。ぜひ、この機会に会場へお越しくださいますようお願いいたします。
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